今回はゲルバー梁の断面力解析の解説をします。ゲルバー梁は、構造力学の序盤に学ぶ梁の一つです。最初にゲルバー梁について説明します。すでに知っている方は問題に進んで下さいね。
ゲルバー梁とは
ゲルバー梁とは、不静定梁の途中途中に適当にヒンジ(モーメントが0になる点)を置き、静定構造とした梁です。言葉ではイメージしにくいので、以下に図を示します。

上の梁はどちらも反力が4つあり、釣合条件だけでは解けないと思われます。しかし、ヒンジが挿入されることで、ヒンジ点でのモーメントが0であるという条件が追加され、反力を求めることが可能となるのです。このような梁をゲルバー梁と呼びます。今回は、このゲルバー梁の断面力解析を行います。それでは、問題を紹介します。
問題
ゲルバー梁-弾塑性解析-問題-min解答のポイント
解答の手順は以下の通りです
- 反力を仮定する
- 構造全体に対して、釣合式を立てる
- ヒンジ点で構造を切断して自由体を作成し、ヒンジ点周りのモーメントの釣合式を立てる
- 2,3より反力が求まり、全体釣合図を描く
- Q図とM図を描く
この手順で断面力解析を行いましょう。特に、手順3はヒンジ点ではモーメントが0であるという性質を利用したものになっています。
解答
ゲルバー梁-弾塑性解析-解答-min解答の補足
自由体を作成する際のポイント
自由体を作成する際は、ヒンジ点周りのモーメントの釣合式が簡単になる方を選びましょう。例えば、問(a)では反力の数が少なくなるCD間で自由体を作成しています。
Q図とM図を描く際のポイント
今回は全体釣合図を描いた後、すぐにQ図やM図を描いています。Q図やM図を描きなれていない場合は難しいですが、頭の中で自由体を作り、せん断力やモーメントを求めることが出来ると早く解答できるようになります。自由体を描いてQ図やM図を求める方法をもう一度確認したい方は、下の記事を参考にしてくださいね。
まとめ
今回はゲルバー梁の説明と、断面力解析の方法について解説をしました。ゲルバー梁の重要なポイントは
ヒンジ点でモーメントが0になる
でした。このことを押さえれば、簡単に断面力解析が出来ると思います。是非知識にして下さいね。