平成23年度解答解説 問1のみ

大学院試

平成23年度の構造系の院試問題の解答解説ページです。著作権保護のため問題は掲載できません。

それでは解説、解説の補足の順にまとめていきます。

解答(10ページあります)

H23-問1解答解説-min

解答の補足

問a

支点反力を求める問題です。問題の骨組みは1次不静定構造なので、一般的には不静定力を置いて、変形の適合条件などを使い、反力を求めると思います。
しかし、今回はもう少し簡単に解くことが出来ます。ヒントは「骨組みが対称的であること、逆対称荷重が作用していること」です。

問c

変形形状を描く問題です。ポイントとしては、柱の変形と梁の変形を別々に考えると変形が分かりやすいです。それぞれに対して、どの曲げ変形の公式が使えるかを意識しましょう

問(2),(3)

どちらも公式を利用して解くことが出来ます。公式は以下の記事に纏めているので参考にして下さいね。

問(4)

問(1)と同様に、対称構造に逆対称荷重が作用している点に着目しましょう。すると、解答のような分解が可能となります。それぞれ変位が等しくなるという情報と、今までに解いた問題を参考にすると解けると思います。

対象構造と逆対称荷重について、もう少し補足します。

対象構造とは

対称構造はイメージしやすいと思います。ある軸を中心に回転させたとき、初めの状態と同じ状態となる構造です。今回の場合は柱が対称軸であり、柱を中心に、180度回転させた時、確かに初めと同じ状態になります。

逆対称荷重とは

逆対称荷重とは、対称軸を中心に180度回転させた荷重に、-1をかけた場合に元の状態と同じになる荷重のことです。言葉の説明では難しいので、図を用いて説明します。

逆対称荷重-min-1

上のように、荷重を対象軸に関して180度回転させ、その後-1をかける操作をしたとき、確かに初めの状態と同じ状態になっています。このような荷重を逆対称荷重と言います。

対称構造に逆対称荷重が作用している場合、変形や応力も逆対称になるという性質を利用すると、反力の数を減らすことが出来るのでオススメです。

以上で解説を終わります。